「販促」とは「販売促進」の略です。販売促進とは、「もっとその商材が買ってもらうようにすること」です。それは「良い物」であっても、「黙っていては売れない」ということがあるからです。

何かを「売る」ということに対して実感のある人であれば、「販促」の持つ意味というものはわかるのではないかと思います。モノを販売することは、消費者からはまるで見えない部分での「せめぎ合い」があるということです。その商品を「買おうかどうか」ということも、その商品を「知っている」からできることです。まずはその商材のことを知らなければ、何も手が出せないでしょう。そのようなことから始まり、価格はどうなのか、機能はどうなのか、ユーザーが自分で調べることも多いのでしょうが、「調べた時に情報がある」という状態にするのもその商材の提供側の責任です。

販促、つまり販売促進とは、そのような状態を作り上げて、「ユーザーが買うこと」を促進させることです。直接顧客に対してアプローチをかける「営業」ではなくて、さまざまに網の目を張ってそれが購入してもらえるように尽くすこと、仕掛けることが「販促」です。特に、エンドユーザーに対しては現代では「営業」のチカラがだんだん弱くなってきているといえるでしょう。昔よく見られた「訪問販売」などは、現代ではそぐわないものになってしまっています。人の家に「訪問すること」自体がはばかられる時代であり、さらにはインターネットの発達によってユーザーが「自分で選ぶ」というスタンスが「当たり前」になってしまっているのです。その「当たり前」の状態のなかで、いかにして自分が売りたい商材を認知してもらい、さらには「選んでもらうのか」ということが販促の最大のポイントです。

販促の基本的な考え方は「営業」のそれと同じです。「数字にこだわる」、「成約する」ということが何よりも大切で、そのためにさまざまな取り組みを行うのです。そして販促として誰かが何かを行うということはそのままそれが「コスト」につながるものです。コストは回収して余りある利益がなければ意味がないのです。ただ「やればいい」というものではありません。


ですが、企業の販促担当者は営業マンのように「数字」を課せられているわけではないことがほとんどです。そのことが、販促行うことが「目的」になってしまう最大の原因です。本来は販促の先に「売上」があるべきで、売上を立てるための販促であるのに、部署として独立してしまっている販促部隊がその「売上を顧みない」ということまで考えられるのです。

販促の課題はそのような「矛盾」をまず改善することであり、販促に関わる人のすべてが「売上」を意識するということがまずあります。そのような「素地」の先に、適正な販促活動があるのです。ただ珍しい販促物を作るだけでは意味がなく、その結果「どれだけ売れるのか」ということをひとりひとりの担当が考えることが大切です。そこにあるべきなのは「営業マインド」であり、モノを「売るんだ」という意識です。それを持つことができている担当者が実践する販促には、それなりの結果がついて回るでしょう。それが積み重なり、経験と実績を持った販促マンは、営業マン何人分もの売上を持つことができるのです。

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