「ポスティング」の反応率とは
メディアを利用した販促、マーケティングはターゲットを絞り辛いものです。誰がどこで見ているかわからないというのがメディアだからです。広く告知すればするほど、たくさん人の目に触れるものほど、それは確かです。
ですが、リアル店舗を構えているようなサービスである場合、「地域」というものは確実に意識しなければいけない戦場です。それは「通り過ぎる人」をターゲットにするのか、それとも「周辺に住んでいる人」をターゲットにするのかによっても違ってくることでしょう。近隣の人しか使うことができないというような店舗、サービスでなければ、人通りが多ければ良いということになるかもしれません。もしそうであればターゲットはある程度広がります。
ですが、明らかに「近隣」だけを狙う場合、適した媒体は限られてくることは間違いありません。インターネットで幅広く告知しても、テレビCM、ラジオCMで幅広く告知しても、その効果は見られないことが容易に予想できます。その販促は確実に「その地域」に当てたいものということになります。難しいのはそのような地域に特化した販促は限られているということです。地域情報誌への出稿も手段のひとつではあるでしょう。ですが、あくまでもそれらの「雑誌」、「フリーペーパー」になると定期的に発行されているものの、こちらの意図したタイミングではないかもしれません。それらの雑誌の発行スパンに、こちらの販促タイミングを合わせなければいけなくなってしまうのです。
こちらの意図したタイミングで、意図した範囲に販促をかけるのであれば、やはり「直接」マーケティングを行うのがいいのではないでしょうか。「直接」、ターゲットとしている地域にアプローチをかけるのです。これが一昔前であれば「訪問営業」という手法も考えられたでしょう。営業力の強い会社であれば、まどろっこしい販促を用いるのではなくて直接営業をかけた方が早い、という結論に達する場合も多々あったのだと思います。ですが、現代ではそのような「訪問営業」はなかなか敷居が高いもので、突然人の家に押しかけて営業するなどという行為はアナクロとされています。
そこで考えられるのが「ポスティング」です。直接「チラシ」や「フライヤー」をターゲットとしている地域の住宅に配布するのです。これは地域を絞ったピンポイントのマーケティングとしては未だに実践されることの多い手法です。
ですが、それもほとんどは捨てられる運命にあります。インターネットですら、100回のアクセスに1回買ってくれる人がいれば良いというアベレージの世界です。それがチラシになれば、さらに反応率は下がるのです。反応率が下がるからといって部数を増やそうとしても、そこにはやはり限界があります。どれだけ多く配布しようとしても、自らの手でも、あるいは業者を使ってでもいいのですが、「数」を増やそうとしても「住宅」の数に限りがあるのです。地域を絞った瞬間にターゲットの数は固定されてしまうのです。
ただ、企業によってはポスティングに徹底的にこだわっている会社もあります。業者は雇わず、社員が自ら配布するというスタンスを続け、反応率を常に高めるための工夫を絶やさない企業もあるのです。ですから、原始的な方法とはいえ、「ポスティング」は死んだ販促ではないということになるのではないでしょうか。