一度作ったクリエイティブで満足しない

クリエイティブに正解はありません。もともと「作る」ということは前向きなことです。私たち人間は「作る」ことが大好きで、常に何かクリエイティブなことを続けています。

それが絵画や音楽などの芸術ではなくても、「考える」ということ自体が私たちにとっては前向きなことであり、没頭できることなのです。私たちの創造性、発想力は、互いに相互作用を及ぼしながら、世の中を絶え間なく変化する多彩なものにしているのです。

販促に関わると、このカタチに残る具現化した発想力の「結果」としてのクリエイティブをたくさん目にすることになります。そのようなクリエイティブを「戦力」として使い続けることになるのです。いわば誰かが作った、自分の部署なのかそれとも外部なのかはわかりませんが、クリエイターが作ったクリエイティブを駆使して売上を立てるということになるのです。それが「販促」の基本行動であり、そこには「芸術性」などというものはなく、存在するのは「売れるかどうか」、つまり「反応率」ということになります。クリエイティブを用意するにも「コスト」が発生していますから、そのコストに見合うだけの成果を確保し、且つ顧客に対する「イメージ」をそのクリエイティブでつくり上げる必要があるのです。

そのような販促物に触れる「一般のお客様」は、それらを「営業マン」だとは思いません。もちろん、チラシなどを目にすると、その向こう側にあるそのチラシを配布した企業に対して「営業しているんだな」と感じることはあります。ですが、それが自分にとって「有益」なものであれば、そのチラシの情報で自分の消費行動を左右させることになります。それは無理やり押し付けられるわけではなく、自分の意志で、自分の選択で、そのチラシに記されたものを購入したり、問い合わせしたりするわけです。

そのような自然な購買行動を促進させるクリエイティブが、販促マンにとってはいいクリエイティブになります。いくらデザインがキレイでも、いくら色味が鮮やかでも、「反応」がないクリエイティブには意味がないのです。そのようなクリエイティブはコストのムダ、存在しないに等しいのです。そのようなことを考えると、ひとつのクリエイティブに対してかならず「検証」が必要だということに思い至るはずです。

一度作って「完成」ではなく、その後も工夫して手直しをするなどといったプロセスが必要であるということがわかるはずです。それが販促のクリエイティビティです。コストをかけるのであれば売れる方がいいに決まっています。そして、「売れる」ための方法論は実はこれまで実践してきたクリエイティブの「結果」によって蓄積されているのです。

それは考え方の問題で、「当たればいいな」ではなく、「当てる」のです。「当てる」ために、「当たるクリエイティブ」を最初からつ作る必要があるのです。そこに思い至れない販促マンは、「売れない営業マン」と同じです。売れないということは「意味がない」、「ムダ」ということです。「売れる」のではなく、「売る」ということ、そのような意識が必要です。売上意識、コスト意識、予算を消費する販促マンであるからこそ、売上に対するシビアな感覚が必要なのです。

↑ PAGE TOP