販促物の経費と反応率でROASを測る

販促には「予算」が必要です。それは「お金を払ってモノを売る」ということです。どのような広告、どのような販促活動も必ず経費が発生するものですが、その予算を必ず回収しなければ、結果としては「赤字」になってしまうということです。

もちろん、理想は何もせずに売上が発生することです。特段なにも販促をかけず、ただ待っていれば売上が発生してくれたら、それほど嬉しいことはありません。ですが、世の中はそんなに甘くはなく、消費者はそんなに優しくもないのです。ただ待っていれば商品が売れてくれるなどということはあり得ないのです。だから世の中に販促が存在していて、広告が存在しているのです。良い物でも人に伝えなければ「売れない」ということなのです。

ですが広告にしても販促にしても予算がかかるのです。それはそれら「メディア」を販売することをビジネスにしている人がいる限り変わりません。無料で出稿できる広告などはたかが知れています。広告主は、かならずそれらのメディアの「枠」を購入することで、あるいは費用をかけて販促物を用意することで販促活動を行わなければいけません。

そこで、ROASという考え方があります。ROASとは、どれだけの予算を投下してどれだけの売上を上げることができたのかという指標です。それはパーセンテージで表され、予算に対してナンパーセントの売上を確保できたのかということです。ROAS100パーセントであれば、投下した予算と同じだけの売上だったということです。販促部隊はあまり気にしないかもしれないのですが、ここで気をつけたいのは「売上」の向こうには「利益率」があるということです。売上から原価を差し引いたもの、それが「利益」です。そこにその事業に関わっている人の人件費などが加算され、残ったものが収益です。販促費もそこに加わることになります。

販促において大切なことは、「どれだけのROASをキープする必要があるのか」ということです。販促費を投じすぎて赤字になってしまっては意味がありません。どれだけの売上をどれだけの予算で確保する必要があるのかということをまず定めて、その先に「それではどれだけの反応率を確保すればいいのか」という指標が立つのです。

反応率を上げるということは、すなわち少ない予算でより多くの売上を確保するということと同じです。販促マンについて回る「反応率」とは、そのように経営を健全化するということに直結している問題なのです。そのようなことを考えれば、ただ予算を投じて認知を広げようなどと考えることは恐ろしくてできなくなるはずです。「売れなければ予算を捨てていることと同じだ」ということです。

広告と販促、認知と営業がうまくリンクしていれば、純粋に与えられた予算で認知を最大化させようというプロモーション的な行動もとれるのですが、そのような考えに立てるのは一部の大企業だけだということです。一般的な会社では、販促は売上に直結しなければ意味がなく、予算の先には「結果」を求められるのが当たり前なのです。それは「企業を存続させるため」には当たり前の考えであり、「予算が少ない」とぼやくのであれば、まずは自分がいくらの売上を出しているのかということを考える必要があるのです。

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