「見てもらう」母数を考える

販促において重要なことは、こちらが販促のために用意したクリエイティブへの「接触母数」です。どれだけの数の人がそのクリエイティブに触れてくれるのかということがまず大切です。

営業マンも同じような考え方を持っています。どれだけすごいトーク力を持った営業マンでも、「アポ」がなければそのトークを発揮することはできません。商談の成約率が高いのだとしても、「商談自体がない」ということでは成約は発生しません。それは販促においても同じことです。素晴らしいクリエイティブの販促物を用意したとしても、それが誰の目にも触れないということであれば、まったく意味がないのです。販促物は「人に見てもらう」ということではじめて「意味」が出るものなのです。

すべての販促、すべての営業は「打率」を考えることからはじまります。また、打率を計測することでその良し悪しを判断することになります。100人の人に見てもらって、何人の人が購入に至るのか、という打率です。それぞれの販促物にそれぞれの指標がありますが、現在主流になっているWebサイト、Webページなどでは、明らかに誘導したページで1パーセントの打率を持っていれば「合格ライン」、3パーセント台に乗ってくれば「優秀」という具合に判断していくことになります。さらにはWebサイトではそれらの「計測」が用意にでき、たとえば2パターン用意したクリエイティブの「どちらがいいか」ということに対して、関わる人の主観ではなく、実際にエンドユーザーに判断してもらった「答え」を出すことができるのです。

それぞれのクリエイティブを考える際、それぞれを「営業マン」と捉えることが大切で、ただなんとなく「作らなければいけないから」だとか、「用意しなければいけないから」ということだけで作ってしまうと、人に対してまったくエモーショナルな作用を起こさないただの「飾り」ができてしまいます。営業マンは売ることが仕事であり、営業マンは自分の「販売力」を常に磨くことで日々の糧を得ています。「売れない営業マン」は、存在自体が意味のないものなのです。それと同じで、「売れない販促物」などは、あっても邪魔なだけです。まったく無意味な、ただのコストの成れの果て、言い換えれば「ゴミ」なのです。

販促物を作るときのその「反応率」をいかにして上げるかということを考えることは当然の取り組みです。そして、その取り組みは永遠に終わることがなく、何も手を入れる必要がない完璧なクリエイティブなどというものはこの世には存在しないのです。商材によって成功パターンは変わってくるとは思うのですが、すべての販促物に対して「人の購買意欲を高めるエモーショナルさ」を持ってもらうことができれば、それらのひとつひとつが売上を作るための「武器」になります。

ただPOPを作らなければいけないだとか、他社が作っているからこちらも用意しようだとか、ただ予算を消化するためだと考えていては、それは「販売促進」ではありません。その先に「売る」ということ、ユーザーの意識を「購買」に向けるという目的がなければ、ゴミです。そして、その目的を達するためには蓄積したデータと、方法論が必要なのです。その第一歩として、「どれだけの人に見てもらえるか」ということを考える必要があるのです。

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