販促担当は営業のスペシャリスト

世の中でもっとも過酷な仕事は何でしょうか。あまり人と話すことが得意ではない人にとっては、それは「営業」というかもしれません。営業はビジネスの最前線であり、営業はビジネスの根幹でもあります。

その営業がなぜ敬遠されることがあるのかというと、その職責が持つ「イメージ」が大きく影響しています。夏も、冬も、外を歩きまわってひたすら営業するそのイメージです。ときには電話でアポイントをとるために一日中電話にかじりついていることもあるでしょう。到底達成できないような高いノルマ、そして成績が悪い時の上司からの叱責。「営業」にはそのような暗いイメージがついているのではないでしょうか。

ですが、営業の「プロ」に至るとそのようなイメージからはかけ離れた存在になります。プロの営業マンは「人」を知っているのです。人を知っているということはどういうことかというと、「人の心理」をうまく掴んでいるといってもいいでしょう。どのような時に人はどのような反応を示すのかということを知っている人、どのような状態の人に何を言えば心が動くのか知っている人、人を「動かす言葉」はどのようなものかを知っている人です。

人になにかを「買ってもらう」ということは、「人に対して影響力を及ぼして、人に動いてもらう」ということと等しいのです。人に対しての「影響力」とは、人の「行動」を促せるチカラのことです。人がどのように「動く」のかいうと、何か目的があって、それを達したいと考えた時です。「目的」は常に一定ではなく、目的は常に流動的で、時によって変わるものです。例えは「お腹がすいた」という時には「何かを食べよう」ということになります。ただ座っていても何も食べることは出来ないのですから、どこかに食べに行くか、何か出前をとるか、何か自分で作る必要があります。それが「目的を達するための行動」ということです。

お腹がすくというのは生理的な現象です。それはただ待っていれば起こり得ることですから、その人のお腹がすいたときに、その目に何を見せるのかということで行動を促せるのですが、その「お腹がすいたので何か食べたい」に等しいことを「新たに作り出す」ということが大切なのです。

それは「ニーズ」を「掘り起こす」ということです。その人が必要だとは感じていなくても、それは「知らないからだ」ということです。人が接することができる情報の量には限りがあります。誰もがこの世の中のすべてを知ることができるわけではないのです。だからこそ、伝えなければいけないことがあり、その「知る」ということで新しいニーズが産まれることがあるのです。そのような「きっかけ」を提供してあげること、そのような「気付き」を与えること、それが重要です。

そのようなプロセスを把握した営業マンは、とても強いものです。「これを知っていますか?」と質問して「知りません」と答えられて終わってしまうようでは、三流です。「知らないのも当然ですよね、これはまだ最新式であまり広く出まわっていないんです」と切り返せば、相手も興味を持つかもしれません。そのような機転と、人の心理を見ぬいてそこに働きかけることができるチカラ、それを備えていることが営業マンの強さです。

そして、その強さは実は「販促」にも応用できることなのです。

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