予算に対する考え方

販促の部署、プロモーションの部署には必ず「予算」が付くものです。「予算」はそれら販促、広告の部隊にとっては「どれだけの行動が起こせるか」というパロメーターです。

ですが、会社の資本にも限界はあります。ただ販促をするだけではいけないのです。製品開発に費用を投じる必要があったり、人件費も支払わなければいけなかったりします。さまざまなバランスの上で「会社」や「組織」というものは成り立っているということです。

経営者にとって、どの部門にどれだけの予算を与えるのかということは「投資」のようなものです。「予算」はなにも「使うお金」だけのことを言うのではありません。その部署で「いくら稼ぐのか」ということも「予算」として定めるものです。売上予算と、経費として見込む予算それぞれを管理しながら、各部門は仕事をすることになるのです。

予算は「想定」ですから、事前に設定されるものではあります。そこに対しての「実績」は当然加味されることになります。それは「予実管理」と言われるもので、定められた計画値に対してどうだったのかということをしっかりと見定め、その「先」の計画に反映するのです。企業で仕事をすると、まずはこの「予算」、「計画」をしっかりとこなすことを求められるものです。それがいわば「ノルマ」のようなものであり、組織人としての「責任」でもあると言えるでしょう。そのような責任をまっとうするためには、細部にまで落とし込んだ「計画」が必要です。

トップは、末端の仕事の計画まで細かく判断はしてくれないのです。見るのは「実績」だけです。「この部門にこれくらい投資して、これくらい売ってもらおう」ということしか考えないのが通例です。それはいわば「期待」のようなものでもあり、その期待値に対して応えるためには、部門としての行動計画、そしてチームとしての行動計画、さらには個人としての行動計画が必要で、それを「こなす」ということを通じて想定された実績を出す必要があります。

ビジネスというものは「投資」です。なにかを始めよう、何かを用意しようという段階では費用ばかりが発生して収益はありません。投じた費用を回収してさらに利潤を出すことで、その企業は企業としての体裁を保つことができるのです。

その経済活動の末端であれ、中間であれ、企業が企業として健全に回転するためには、結局組織の最小単位である「人」が効率的に機能していなければいけません。最小単位である「人」がダラダラしているようでは、全体としての組織も「死ぬ」ということです。

予実管理は仕事の基本です。それは「末端の自分には関係ない」ということではなく、末端であるからこそ関係のあることなのです。「売る」ということ、「組織のために稼ぐ」ということ、間接部門であれ、事務方の管理部門であれ、「売る」ということに対して意識しなければ意味がありません。「自分には関係ない」と考えた瞬間に、組織はひとり「売上に対して前向きな人材」を失うということです。そして、そのような人材は組織にとっては「不要」です。

予実管理ができる人材、責任をしっかりとまっとうする人材、組織の効率化を考えて、自分の目の前の仕事の範囲だけでなくさまざまな部門の仕事も見える人材、そのような人が社会で「通用する人材」なのではないでしょうか。

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